前半の内容は「WIDD Osaka 2014_01」。

 

2)キャンパスノート(竹綱章浩先生)
感動したプロダクト…1979年SONYのウォークマン
どうして感動したんだろう?→こんなものが欲しかった、生活が変わりそう、社会や多くの人に役立ちそう…
何に感動するのか?
「私にとっての価値…意味的価値」と「みんなが知っている基本的な価値…機能的価値」という2つの側面があるのでは。

Campusの価値は「気づき」による「着眼点」「創意工夫」からユーザの問題解決へ

今年で39年、現段階の商品で五代目のもの。Campusのロゴもこの時に変更。

ドット入り罫線ノートの開発について
もっと綺麗に書きたいというニーズから、東大生と社内デザイナーと共同開発
あまち規定しすぎないような「ドット」という工夫に

国内のノート市場240億円、シェア40.6%、年間1億冊以上販売している。

 

3)タブレットケース(武藤雅飛先生)
フィーチャーフォンではケースがあまり無かったのに、スマートフォンではケースを多くに人が使用する。

ケースに必要なこととは
・デバイスを守る
・デバイスにない機能を追加
・自分の好きなデザインにする

2009年のiPhone3G用のケースのネーミングの話。
競合他社の商品名は、パスワードのようなとてもユーザーに覚えてもらおうという意識が見えないものばかり。自分の関わったものはネーミングもブランディング対象として関わる。
→何かひとつアイコンになるようなケースデザインを目指す。
→書体選定などグラフィックでは一般的な手法だが、プロダクトの世界ではあまりやられていない現状もあるのでは…ストーリーを語るというフィンランドのiPhoneケースを例に、世界観を提供する、共有するというアプローチ

 

4)新快速の文字(西谷誠先生)
JR西日本 報告幕タイプフェイスデザインについて
「新快速」のタイプフェイスデザイン
この書体が「普通」とか「快速」などへ展開している。

・歴史的な経緯
1987年4月 国鉄分割民営化(北海道、東日本、西日本、四国、九州、貨物など…各組織のコーポレートカラーが設定されている)

1989年 JR西日本 221系電車のアーバンネットワーク新規開発、その際に方向幕の書体も一新された。インテリアのサイン関係も同時にデザインした。

1989年以前の書体は…ゴシック系の書体?だった(上旧、下側が新)
新快速新旧

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・デザインのキーワード
都会的、スピード感、先進性

・タイプフェイスの特徴
新ゴシックを元にしたデザイン。
ウロコの部分をどうつけていくか、など基本の書体に要素を加えて3つのキーワードに合致するように検討を進めていった。

 

5)JR特急列車 はるか(近畿車両・南井健治先生)

1979年に会社に入り、車両のデザインに従事

・1994はるかのデザインについて
1994年という年は、関西国際空港が開港するということで非常に大きな経済的なインパクトが関西にあった。ここに乗り入れするのがJR西と南海電車。

・コンセプトについて
「行く為の電車」か「帰るための電車」かどちらにしよう?というのが最初の立脚点。これから海外に行く為のお客さんのためのものか、海外から帰国したお客さんのものか…JRは「帰るための電車」をと決定。
南海のラピートは「行く為の電車」だったとのこと。うまく棲み分けができてよかった。

能面のイメージを、日本的な造形に落とし込んでいった。
はんなりした色のインテリアに。

・鉄道車両というのは鉄道システムの一部
運用、駅、通信、信号、電気、線路・軌道など…

・鉄道車両の特徴
鉄道車両は地域限定である。
お金を出せば誰でも利用できる(ターゲットを絞ることは無い)
環境負荷の低い交通機関である。
安全・確実な交通機関である。
鉄道というシステムの1アイテムである。
典型的な少量多品種生産の工業製品である。
1600~2000両/年が日本の国内で生産される全ての車両(新幹線や貨物全て含む)
美しさの維持が必要(40年程度使用するに耐えるメンテナンス性が求められる、また新規車両が導入される際には、段階的な入れ替えなので、新旧車両が同時に運用される、しかし運賃は変わらない)

・鉄道はドメスティックトランスポート
線路の上しか走れない。
地域によって鉄道車両に対する文化に違いがある。
ex.香港は車両の椅子がアルミの背もたれ、ステンレスの座面←日本のものとは全く違う。香港は他の車両もすべてこの椅子。前の人の座ったあとのぬくもりが感じられるのがいやだ、という理由で日本のようなクッション性のものは却下された。

ex.アメリカ、カリフォルニアでは自転車を積めることが必要、うまく置くインテリアを検討したとのこと。

文化の違いはトランスポートに反映されている。

・鉄道車両と一般の商品デザインの違い
鉄道事業者が「企画」と「顧客」である。メーカーは「生産」して納める。設計からデザインから、、ユーザーが直接この中に入る余地が無い。(アンケートなどの様々な手法によってニーズのくみ上げは行う)

公共性…利用者を選べない、ユーザーも手段を(それほど)選べない
地域性…地域文化や条件に差
経済性…公共交通機関としての適正コストが求められる
保守性…長期使用(40年以上)や美しさの維持
シンボル性…高い注目度、社会を表現

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