鉄道芸術祭vol.3
松岡正剛プロデュース
「上方遊歩46景 〜言葉・本・名物による展覧会〜」
2013年10月22日から12月25日まで、
二ヶ月にわたり開催される展覧会。
今日は「”知”と”ち”が急行する」と題して
松岡正剛先生と川崎和男先生の対談。

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上方遊歩46_松岡正剛×川崎和男

問題提起

松岡:関西とか大阪は(文化や商業など様々なものが)二重、三重に折りたたまれている。
でもこのままではダメなんじゃないか?

川崎:いい美術館はあるのに利益のことしか考えていない印象。
文化に対する意識が低いのでは。
また大阪で暮らして8年になるが、大阪特有のいい言葉が、失われてきた。
「よろしゅうおますなぁ」という言葉を最近ではほとんど聞かない。

 

問題の根源

松岡:こういった問題は、トータルには日本全体の病気だと考える。
特に大阪ではその症状がはやく悪化している。
グローバリズムとは地中海時代も、平城京の時代も同じであったし、それ自体が問題にはならないはず。
けれど、今起こっていることはグローバルスタンダード化であり、これはグローバリズムとは本質的に異なる。
スタンダードというのは、何処かの国なりが覇権を取るということ。
戦後から60年代にかけて日本はアメリカのスタンダードを選択したが、
実はその時代のアメリカはスタンダードを取れていたとは言い難い。
ケネディ、ジョンソン、ニクソンなどは、それらを模索した時期だったはず。
レーガンの時代にアメリカはやっとスタンダード(覇権)を握るが、
その時日本はアメリカンスタンダード=グローバルスタンダードだと取り違えたのが、最も大きな過ちだ。

上方遊歩46_松岡正剛×川崎和男

 

大阪人の出会いの演出

松岡:一期一会は非常に重要だと考えていて、
出会った最初の5分で、相手がどんな人かは大凡わかるものだ。
かつて大阪では絶妙なことばや態度で一期一会を演出する技術があった。
しかし最近それらを感じなくなってきている。
それは直面している事から逃げ、向き合っていないと言えるのでは。

 

2020年までの仕切られた時間

川崎:今後の日本は、2020年の東京オリンピックまでが一つの大きな区切りとなる。
今から大阪を本当に変える為には、東京の力を借りなければと考えている。

松岡:これからの7年の間に、日本政府の負の部分も露呈するのでは。
確かに2020年のオリンピックは大きな区切りである一方、
この7年は「保証されているものではない」
つまり東京ですら頼みに足らない。
大阪は、東京と「何か」を取り替えるぐらいの事をしないとダメだろう。
(何か=デバイス、という言い方)

上方遊歩46_松岡正剛×川崎和男

 

共同体の最小単位について

川崎:東京の中にもムラが出来てきている。
これをどう見極めたらいいだろうか。

松岡:例えば中野ではなく「東中野」という、
彼らが自身で表明する、これまでには無かった帰属単位は無視できないだろう。
(大阪で例えると堀江では無く、北堀江のようなイメージ)
こういった、新しいコミュニティの単位で活動している人は面白い。
この面白い人達を使う能力のある人が地方にいないのは問題だが。

 

編集の起点

松岡:新しい事をする時に、
例えば大阪の歴史をきちんと調べ知った上で、
その「何か」を起点に編集していくべき。
もし革命についておかしいと考えるなら、
トロツキーやマルクスにまで戻さないといけないはず。

上方遊歩46_松岡正剛×川崎和男

 

喧嘩道

松岡:喧嘩というのは「交換」、エクスチェンジである。
これを経験しなくなったことで、喧嘩まで至らなくても、
相手の言った事と同じものを放り込むことが出来なくなった。
(うまい、絶妙の返しみたいなイメージ??)

 

大阪で失われた何か

松岡:今日話していて、大阪というか日本で何が失われたかわかった気がする。
パワーハラスメント、セクシャルハラスメントなどの規制を強め、
他者との関わり合いが希薄化した。社会的に「闇」の言葉を消そうとするあまり、
その対局である「光」の言葉も失われつつある
言葉には言霊が宿る。その光の言葉が失われつつあることで、
大阪の、日本の良さが損なわれているのではないだろうか。

上方遊歩46_松岡正剛×川崎和男

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