ディーター・ラムス氏とのデザインシンポジウム

テーマ:「Quo Vadis Design…デザイン何処へ 」
●日時:2016年4月20日(水)18時〜20時30分
●場所:京都造形芸術大学 春秋座 (京都芸術劇場)
●内容:
メインスピーカー:Dieter Rams氏(プロダクトデザイナー、ミュンヘン工科大学 名誉教授)
講演者: Fritz Flenkeler氏(プロダクトデザイナー、ミュンヘン工科大学 教授)
パネリスト:黒川 雅之 氏(建築家・プロダクトデザイナー)
深澤 直人 氏(Naoto Fukasawa Design 代表)
長谷川 豊 氏(ソニー(株)クリエイティブセンター長)
ファシリテーター:植松 豊行(京都造形芸術大学 プロダクトデザイン学科 教授)

 

1.イントロダクション
「ディーター・ラムスとドイツデザイン」Fritz Flenkeler氏


レオナルド・ダ・ヴィンチの「ウィトルウィウス的人体図」まで遡り、
現代に至るドイツのデザインを総括しつつ、デザインに重要な3要素を以下のようにまとめた。

  • Firmitas — 頑丈さ、強靱さ

  • Utilities — 実用性

  • Venustas — 美しさ

またデザインとは企業のサービスやプロダクト、実績にフォーカスするべきであり、
決して人間が中心のものではない、とも。

  • Industrial Entertainment

    alessi
    ALESSI MR & MRS CHIN SALT PEPPER SET

 

  • Industrial Art

    Louis_Ghost
    Louis Ghost – Transparent Crystal Kartell
    by Philippe Starck

 

  • Industrial Design

    (卓球のラケットのような写真、、、検索してもみつからず、、)
    その他の例として、オフィスチェアのような上記3要素を兼ね備えたモノ。

Industrial EntertainmentやIndustrial Artといったものは「デザイン」とは呼びたくない。

 

ディーター・ラムスへのメッセージ
パネリストからのプレゼン、対話


黒川氏:日本の美、日本らしい美をどう感じるか?

D.Rams氏:まず最初に、私はドイツらしいデザインを目指しているわけでは無い。
他のデザイナーもそうだと思うが、インターナショナルなデザインを目指している。

私は(文化的背景が異なるにも関わらず)特にわび・さびという日本独自の美的感覚に非常に共感できた。
簡素さ(わび)がデザインの未来だと考える。
戦後ドイツは、戦争によって破壊された中から「整理する」事で始まった。

あと盆栽が好き。注意深く扱うべきもので、その形も自分で決定できる。
その形は適切な手入れをすれば、保たれる点が。デザインそのものでは。

 

深澤氏:デザイナーとして筆を置くことについて

D.Rams氏:引退してのではなく、させられたと思っている(笑)。

BRAUNとは経営者のブラウン兄弟との関係が密接であったため、様々なデザインを長く手掛けられた。
しかし度重なる買収によって、その関係性の維持が困難になり、身を引くことに。
今のBRAUNのデザインはBRAUNじゃ無い。。。

 

長谷川氏:ラムスさんからみたSONYのデザインはどう見えるか。

D.Rams氏:SONYが何をしているか正確に把握しているわけではないので、評価する立場に無いが、、、
プレゼンテーションを見る限り、最近のSONY製品は「歩むべき道を歩んでいる」と思う。

長谷川氏:今後のデザインが歩むべき道は?

D.Rams氏:時代のスピードが速く、複雑化している。
「シンプルな思考」が重要だと考える。

また私は「ism(主義)」というものが嫌いだ。
機能性は大事だが、機能主義となったとたん、それは別のものになる。

 

深澤氏:BRAUNのデザインは機能的でありながら人間味のあるやさしいものだと思う。

D.Rams氏:50~60年代、BRAUNが世に出始めた頃、そういった「やさしい」という評価は皆無だった。
クールすぎるため医療機関には向くが、生活に馴染むことはないという印象が大半だったことを覚えている。
なので、やさしいと言ってもらえるのは嬉しい。

私が目指しているつつましく簡素で整ったデザインは、ともすれば人間的でない印象を与えるよね、、、

未来のデザインおいて、つつましさ、簡素さは重要だと考える。
これは単にデザインだけでなく、大量生産をしないという点でも。
古びない、使い人たちの生活を豊かにするデザインを目指すべき。

「デザインの正統性」とは、我々がこの惑星で生き延びるのにどれだけ貢献できるか。

デザインの概念は近年「差異」にばかり注目されている。
デザインが「ライフスタイル」に格下げされないことを祈る。

講演中にも何度も出てきた、
2005年京都の建仁寺で行われた
ディーター・ラムス Less but better 展の
図録が会場で購入できました。
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